ゆらぎの詩歌日記

好きな詩や歌、俳句などについて語ります

2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

好きな歌(三月書房)

いつ来ても光も音もひそかなり寺町二条三月書房 ー辻 喜夫 京都には、魅力的な古書店がある。もう10年以上前に買った『京の古本屋』という 古本探しの必携書を携えて、あちこち歩くことがある。その中で、なぜか古本屋ではないのに三月書房というのが出て…

好きな詩(辻野先生)

(辻野先生)ー『君が好きだよ』(大木実)より 詩ができました 先生みてください 本を読む楽しみを 文を綴る(つづる)喜びを 教えてくださった 辻野先生 私の父母は本を読まず 私の家は貧しく 家には一冊の 字引もありませんでした 私は路地から路地へ 走…

好きな歌(うまさけ)

”私は酒に酔うこがいやだから、酔わないことにしている。 しかし友と酔心をともにするほど、人間として楽しい境界はない。” ー坂口謹一郎 『愛酒楽酔』より とつくにのさけにまさりてひのもとの さけはかほりもあじもさやけき たまきはるいのちの限り究めはや…

好きな歌(良寛の書)

つくづくと良寛の書を見てあれば風のごとしも水のごとしも ー吉井勇 (『玄冬』より) 良寛の書の風韻を仰望して、その風・水のごとくありたい自分の志向をもこめた歌 山本健吉 句歌歳時記(夏)

好きな歌(銀河)

秘めことのなき歳となり星まつる -阿部みどり女 星祭は七夕の別称である。本音では、秘め事はいまもあるのではないか? 窓に銀河妻ならぬ人おもひ寝る -上村占魚

好きな歌(新しき家具)

きみがうたうクロッカスの歌も 新しき家具の一つに数えむとす ー寺山修司 『血と麦』より 新婚の二人が新しいアパートに引っ越してきて、荷物の整理をしている。クロッカス、クロッカス きれい、そんな唄を新妻が可愛い声で口ずさむ。この歌声も家具の一つに…

好きな歌(さみだれ)

さみだれのあまだればかり浮御堂 ー阿波野青畝(せいほ) 浮御堂は近江八景の一つ。びわ湖の西岸堅田にあり、湖に突き出たお堂です。 堅田には、<余花朗>といううまい鰻と酒を供する料亭があります。鰻の 蒲焼は、ぱりぱり焼いてあって絶品です。これを食…