好きな歌~小野茂樹
(散歩道の酔芙蓉、まだ密やかに咲いています)
五線紙にのりさうだなと聞いてゐる遠き電話に弾むきみの声
ー小野茂樹
彼の相聞歌は、1960年代に多くの人に愛唱されたが、わずか34歳の若さで長逝しました。そのほかの歌、
あの夏の数かぎりなきそしてまたたつたひとつの表情をせよ
ひつじ雲それぞれが照りと陰をもち西よりわれの胸に連なる
感動を暗算し終へて風が吹くぼくを出てきみにきみを出てぼくに
歌人高野公彦は、彼を偲んでこんな歌を詠んでいる。
命日にあらねど歌人小野茂樹のソフトさ言ひて噂供養す