好きな詩~青い夜道
好きな詩~青い夜道
いっぱいの星だ
くらい夜みちは
星雲の中へでもはいりそうだ
とほい村は
青いあられ酒を あびている
ぼむ ぼうむ ぼむ
町で修繕(なほ)した時計を
風呂敷包みに背負った少年がゆく
ぼむ ぼむ ぼうむ ぼむ・・・
少年は生きものを背負ってるようにさびしい
ぼむ ぼむ ぼむ ぼうむ・・・
ねむくなった星が
水気を孕んで下りてくる
あんまり星が たくさんなので
白い穀倉(こくぐら)のある村への路を迷ひそうだ
田中冬二の詩集『青い夜道』より
ふるさとへの郷愁を静かに紡ぐ。夜の詩が多い。なんとなく心惹かれるものがある